YouTubeをマーケティングに活用する動きが活発になってきています。
ファン育成や自社メディアへの誘導など目的は様々ですが、ユーザーにYouTube動画を閲覧させるだけではなく、最終的なアクションを起こさせるための取り組みが行われています。その中でもYouTubeの活用の幅を拡げる機能として、2015年3月に「カード」機能がリリースされました。
カード機能とは、アノテーションの機能拡張とも言われています。そこで今回はアノテーションの概要とカード機能についてご紹介します。
1.アノテーションとは?
動画上に表示できるクリック可能なテキストやエリアの事です。動画の補足説明や他のコンテンツへのリンクとして活用できます。
▼動画の最後に別の動画へのリンクやSNSへのリンクが配置されています。
※表示されない場合は、画面下のタイムバーを2:09以降の所に合わせてください。
1-1.アノテーションの種類
・タイトル
・吹き出し
・メモ
・スポットライト
・ラベル
この5種類が基本的なアノテーションとして設定できます。
さらに、そのアノテーションから設定できるリンク先は下記の8つに限られています。
任意のウェブサイトは、所有が承認されたウェブサイト(URL単位での承認)と有効なアカウントのみが設定できる項目で、複数の外部リンクを設定できます。詳しくはYouTubeのガイドラインをご参照ください。
・動画
・再生リスト
・チャンネル
・チャンネル登録
・Google+
・資金調達
・商品紹介
・任意のウェブサイト
1-2.活用事例
アノテーションを上手に活用した事例をご紹介します。
▼長い動画の目次的役割を担うアノテーション(縦書きの英文字がそれに当たります)
1-3.注意点
アノテーションの注意点としては、大きく2つあります。
1つが、アノテーションの表示位置。もう1つがスマホやタブレットには表示されないという事です。表示位置については、動画の画面下にアノテーションを配置した場合、広告が表示された時に隠れてしまうのでクリックしづらくなってしまいます。そこで画面下の3分の1よりも上に配置する事で対応します。
もう1つの注意点であるスマホやタブレットについては、アノテーションは表示されません。
そこで登場したのが今回の記事のメインとなる「カード」機能です。
2.カード機能とは?
スマホ・タブレットでは表示されないアノテーションがカード機能では表示されるようになりました。(ただし、現時点ではYouTubeのモバイルアプリ利用時に限ります。)
近年YouTubeを閲覧するユーザー全体の過半数がモバイルからというデータもあります。より多くのユーザーへの期待に応えるためにも、ブラウザアプリへの対応は時間の問題ではないかと思われます。
2-1.表示例
PCとスマホの表示例です。
▼右上の「!」マークをクリックすると、関連ウェブサイトへの導線が表示されます。
▼スマートフォンでのカード機能の表示例
2-2.リンク可能な種類
下記の通り、アノテーションと大きな違いはありません。
・動画
・再生リスト
・資金調達
・商品紹介
・任意のウェブサイト
・ファンディング
2-3.注意点
・端末によって表示内容が変わる
モバイル端末の画面サイズによって表示内容に調整が入り、全ての端末で同じ表示内容とはならないようです。
・CTAオーバーレイと併用できない
※CTAオーバーレイとは、Call-to-Actionオーバーレイ広告というAdwordsのYouTube向け広告の種類になり。動画が始まると表示されるクリック可能(閉じる事も可能)な広告の事です。
YouTube向けAdwordsを利用している方は、カード機能もしくはCTAオーバーレイどちらかを選択する必要があります。
・スマホのブラウザアプリでは表示されない
前述した通り、現時点ではブラウザアプリでは表示されません。
3.カード機能の効果測定
カード機能を実装した後は、どれだけ効果が出ているかを確認しましょう。
YouTubeアナリティクスでモニタリング
YouTubeアナリティクスでは、カードのインプレッションやオンマウスの数、クリック数などを確認できます。複数の動画を公開、かつカード設定している場合は、どの動画がより優れた効果を出しているかなどを検証してみましょう。
関連動画や再生リストへの誘導数をモニタリング
これはYouTubeのSEOに繋がる話になるので、次回詳しくご紹介しますが、簡単に触れておきます。
YouTube動画はテキストページの約50倍のSEO効果があると言われています。
特にGoogle検索では検索結果に多様性を持たせているため、YouTube動画の表示も検索結果の枠として用意されていると考えられます。表示されるためのアルゴリズムは非公開ですが、動画に関して言えば、累計再生時間や再生回数、タイトルや説明文、タグ、評価数、コメント数などが重要と考えられています。特に再生回数や再生時間を増やすには、カード機能で他の関連動画や再生リストへの誘導を行い、閲覧してもらう事で1つの対策となり得ます。より詳しい内容は次回の記事でご紹介していきたいと思います。
まとめ
YouTubeユーザーの増加に比例して、カード機能の拡張はこれからまだまだ進んでいくと思われます。アノテーションを始めようと考えている方は、カード機能で目的が実現されるのであれば、対策される事をお勧めします。