前回は、リッチスニペットのメリットや仕様などについてご紹介しました。
前回の記事:リッチスニペットに対応すべきサイトとその方法とは?
今回は、その続きとして、リッチスニペットを表示させるためのツールの1つである「データハイライター」についてご紹介します。
このようなツールは初めは取っつきにくいものですが、この記事を読んでいただければ10分でリッチスニペットに対応した構造化データをGoogleに送信する事ができます。是非、ご活用ください。
データハイライターに適したケースと注意点
前回、マークアップの方法は下記の2つがあるとご紹介しました。
・HTMLに直接書き込む
・データハイライターを使用する
データハイライターを使うメリットは、HTMLの修正が不要な点が一番のメリットです。
また、このデータハイライターに適したケースとして考えられるのは、
・社内にHTMLをマークアップするリソースがいない場合
・HTMLを修正できないサイトの場合
・ページ毎に個別に対応が必要な場合
とされています。
また、データハイライターは複数のページに渡って同じ構成で組まれている場合により有効活用できます。この点については後ほどご説明します。
ただ注意点として、データハイライターを使用する場合には、Google以外の検索エンジンには反映されないのでご注意ください。HTMLに直接書き込む場合は、Google以外の検索エンジンでも反映されます。表示されるかどうかは別問題です。
タグ付けできるページ上の要素
常に拡張されていますが、現時点でタグ付けできる(=リッチスニペットで表示される要素)ものは以下の9点になります。
・記事
・イベント
・商品
・レストラン
・映画
・地域のお店やサービス
・テレビ番組のエピソード
・ソフトウェアアプリケーション
・書籍
具体的な設定方法
では実際にどのようなサイトでどのように設定すれば良いかを参考サイトを用いてご説明していきます。この記事では、2つのケースに対してご説明します。
A:コンテンツマーケティングを実践し記事を量産しているサイト
参考サイト(カンナート自社ブログ):https://blog.kannart.co.jp/
では、順を追って進めていきます。
1:主要URLを入力
Google Search Consoleにログインして、左メニューの「検索の見え方>データハイライター」と進みます。
その後、画面右側にある赤いボタン「ハイライト表示を開始」をクリックすると、下記のポップアップ画面が表示されます。
リッチスニペットを表示させたい代表的なページのURLを入力します。
記事を量産しているサイトの場合の代表的なページとは、記事の個別ページとなります。
サイト内の記事が同じ構成で複数ページに渡って展開されている場合、その記事のページの中からピックアップしたURLを入力します。
「ハイライト指定する情報のタイプ」のプルダウンからは、「記事」を選択します。
「このページにタグ付けし、他のページも同様にタグ付けする」にチェックを入れ、OKボタンをクリックします。
2:タグ付け
次の画面では、入力したURLのページが表示され、右側には、これからタグ付けする項目が表示されます。
記事を選択している場合、必須項目はタイトルのみになります。
ただし、タイトルだけではなく、他の項目についても可能な限りタグ付けした方が、検索エンジンに正しくページの情報が伝わるようになり、リッチスニペットへの反映も充実してくると思われます。
まずはページ上のタイトルとなる部分をマウスで選択すると、下記のキャプチャのように表示されますので、「タイトル」を選択します。すると右側の項目欄にマウスで選択したタイトルが表示されます。
次に、記事の公開日時を選択します。画面上に表示されていないと選択できないので、この項目は表示されている場合に設定可能となります。タイトルと同じようにマウスで選択し公開日時を選択します。詳細設定として、自動検出も選択可能です。
実際に選択してエラーが表示されなければ問題ありません。
この例ですと、詳細設定の「月」を選択しました。ただし右側の項目欄にエラーアイコンが表示されました。このようなエラーが出た場合、一旦無視して次に進んでください。
次に画像です。画像も公開日時と同様に表示されている場合に設定可能です。
マウスで画像をクリックし、画像を選択します。すると下記キャプチャのように右側に選択した画像が表示されます。
この3項目が多くのサイトの記事で対応可能ではないでしょうか?他に評価項目も設定可能であれば、同様に設定してください。
設定が完了すれば、タグ付けのステータスが完了です。右上の「完了」ボタンをクリックして次に進みます。
3:ページを選択
次にタグ付けの対象となるページ群を選択します。
下記の画面では、先ほどタグ付けを設定したページと同様の構成であるページが表示されます。具体的には同じ階層にある記事が表示されます。
赤文字でページ数の概算と正規表現のURLが表示されます。
この正規表現のURLが先ほどタグ付けした設定を展開するページとなります。
下部の「名前」には、デフォルトで「記事」と記載されていますが、このままでも問題ありません。他のタグ付けするページ群と明確に区別できる名称を入力します。
もし、ディレクトリ毎に構成が異なる場合は、ラジオボタンの右側にある「カスタム」を
選択し、正規表現にて対象としたいURLを入力します。
以上が完了すれば、「ページセットを作成」をクリックして次に進みます。
4:他のページのタグ付けを確認
ここでは、最初にタグ付けしたページと同じように、他のページがタグ付けされているかを確認するステータスになります。
ここで複数のページのタグ付けの確認とエラーの処理を行います。
先ほど表示された公開日時のエラーについては、右側のエラーマークをクリックすると「警告を消去」と表示されるので、クリックします。
この処理方法ですと、実際にリッチスニペットに反映されない可能性があります。この場合のエラー回避は、このページの日時表示の箇所のソースを改修しないといけないケースとなります。時間がある時にソースコード(このページの場合はWordpressのテンプレート)を改修します。
複数(デフォルトでは5ページ分)のページのタグ付けを確認すれば、自動で学習してくれるようになりますが、更に5ページ分のタグ付けを確認させる場合があります。下記がその例に当たります。
その場合、下記のように「10」までタグ付けするページが増えます。
ちなみに上記キャプチャの「3」の所にあるエラーマークは、まだエラー処理が完了していない場合に表示されます。よって、このページに対するタグ付けのエラー処理が必要という事になります。
以上が、完了すれば、右上の「公開」ボタンをクリックして下記の画面が表示されれば設定終了です。
6:テストツールで確認
実際に設定したタグ付けがどのように反映されるかを確認できるツールがGoogleから提供されています。
下記URLでテストできます。
https://developers.google.com/structured-data/testing-tool/
タグ付けしたページのURLを入力し検証するとエラーが出ているかを確認できます。
エラーが出ている場合は、該当箇所を再度データハイライターで確認し対処する必要があります。
B:イベントを定期的に実施しているサイト
今までに説明してきた手順はどのデータでもほぼ同じなので、その他にはどのようなサイトがデータハイライターで対応可能かを具体的に見ていきたいと思います。
「イベント」のデータを表示させる参考サイトとしてNHKのイベント情報ページが挙げられます。下記URLがそのページとなります。
このページが定期的に更新される事とページ構成が共通している事によって、データハイライターでタグ付けする事によって、イベント情報をリッチスニペットに表示させる事ができそうです。
この場合、下記画面のようにイベント名、日付、場所の表示構成が統一されているので、各所をタグ付けします。
赤枠が、日付
緑枠が、会場名
青枠が、イベント名
これらの項目をデータハイライターでマークアップする事で、リッチスニペットに表示されるようになる可能性があります。
配信に成功すれば、リッチスニペットの表示は下記のようになります。
▼現状
▼リッチスニペット対応表示例
まとめ
データハイライターの設定作業自体は難しくありません。データハイライターの最大の特徴であるHTMLソースをいじらなくてもリッチスニペットに対応できるという点を生かして、まずは活用してみる事をお勧めします。
ただし前回の記事でもご紹介した通り、設定したとしてもリッチスニペットが表示される保証はないです。しかし、Googleがデータハイライターを常に拡張し続けている事やセマンティック検索(検索ユーザーの求めるコンテンツを適切に提供するという概念)を重視している点を考慮すると、できる範囲から対応した方が後々対応するよりも先行者利益が得られるかもしれません。